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顔面けいれん

spasms

顔面けいれんとは

顔面けいれん

片側顔面けいれんは脳幹から顔面神経が分岐する部分に屈曲した動脈が接触して起こります。まれに、この部分の脳腫瘍が原因のこともあります。けいれんのため目がうまく開けられない、顔が曲がってしまう、耳鳴りがする、周囲の視線が気になる、という訴えが見られます。重症度によって治療法を選択しますが、基本的に患者さんのご希望に添うようにします。

治療について

  1. ボツリヌス療法
    →「ボツリヌス療法について」もご覧ください。
    ボツリヌス療法(けいれんを起こしている部分にボトックス®という筋肉を弛緩させる薬を注射する)で2〜4ヶ月はけいれんが止まります。定期的に注射を繰り返していきます。
  2. 手術療法(神経血管減圧術)
    全身麻酔下に患側の耳の後方を切開し開頭、顔面神経と脳動脈の接触、圧迫を解除する方法です。成功率は90%前後です。しかし、侵襲的治療であり、手術合併症で多いのは聴力障害、めまいなどです。
  3. 飲み薬の治療
    抗てんかん薬を服用しますが、効果が認められるのは軽症の場合です。

顔面のけいれんを主訴で受診された場合は、まずけいれんの状態を観察し、ほかに神経症状がないかを診察します。顔面神経と血管が接しているかを調べるにはMRI検査が有用です。治療法については、検査結果に基づいて詳しく説明します。手術療法をご希望された場合は、神経血管減圧術に熟達した専門医を紹介します。