慢性片頭痛に対し、予防薬としてCGRP関連抗体薬が使えるようになりました。

片頭痛発症にCGRPという物質が関与することがわかり、その片頭痛発症機序をブロックするのが抗CGRP抗体薬、抗CGRP受容体抗体薬です。

片頭痛予防薬として、抗CGRP抗体薬エムガルディ®、アジョビ®、抗CGRP受容体抗体薬アイモビーグ®という注射薬が一般診療で使えるようになりました。適応は、月に5日以上の片頭痛のある慢性片頭痛で、非薬物療法や、急性期薬物治療、予防薬で治療したにもかかわらず片頭痛発作のコントロールが不良な患者です。

  • エムガルディ®は初回月に2本皮下注射を行い、2月目以降は、1か月ごとに1本の皮下注射を行います。
  • アジョビ®は初回月から1か月ごとに1本の皮下注射、または3か月ごと3本注射を行う、という2通りの方法があります。
  • アイモビーグ®は初回月から1か月ごとに1本ずつ皮下注射を行います。

これらのお薬は高額ですので、適応が厳しくなっています。3割負担の健康保険の方で、薬代が1本12,500-13,500円です。

エムガルディ®は初回月27,000円、2月目から13,500円位かかります。

アジョビ®は1本12,500円で1回3本使った場合37,500円位です。

アイモビーグ®は毎月12,500円位です。

3か月治療を行って効果がないと考えられる場合は中止になります。

また、いつまで治療を継続するか、という点ではまだコンセンサスが得られていません。よって、頭痛の状態、他の片頭痛治療薬の使用状況など、総合的に考えて治療を継続するか考えます。

投稿日:2021年7月8日|カテゴリ:お知らせ